PCの法定耐用年数は4年?5年?知らないと損する経費処理の基本ルール

PCの法定耐用年数は4年?5年?知らないと損する経費処理の基本ルール

こんにちは、ゲーミングPC完全ナビ2.0のヨシハルです。

仕事用のパソコンを買うと、「何年かけて経費にするの?」「ノートPCもデスクトップも同じ?」「30万円を超えたら必ず減価償却?」と迷いますよね。価格だけで処理を決めると、使える制度や計上する時期を見落とすことがあります。

まず結論として、一般的なPCの法定耐用年数は4年、サーバー用などの「その他の電子計算機」は5年です。この年数は税務上の減価償却に使う基準で、故障するまでの寿命や買い替え期限ではありません。

また、2026年4月1日以後に取得する資産では、少額減価償却資産の特例の取得価額基準が40万円未満に引き上げられました。ただし、対象者や年間上限などの条件があるため、40万円未満なら誰でも全額を経費にできるわけではありません。

この記事では、2026年10月6日時点の公的情報をもとに、PCの法定耐用年数、金額別の主な処理方法、中古PCや周辺機器の注意点を解説します。個人事業主の「必要経費」と法人の「損金」では手続きが異なるため、ご自身の申告区分に合わせて確認してください。

  • 一般的なPCが4年、サーバー用が5年となる理由
  • 法定耐用年数と実際の寿命・買い替え時期の違い
  • 10万円・20万円・40万円を境にした処理方法
  • 中古PC、周辺機器、税込・税抜で迷いやすい点

PCの法定耐用年数は一般用4年、サーバー用5年

PCの法定耐用年数と実際の寿命の違い

最初に、税務上の資産区分と年数を押さえましょう。PCの名称や価格だけではなく、どの機器を、どの用途で使うのかが判断の出発点です。

国税庁の耐用年数表では4年と5年に分かれる

国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」では、器具・備品のうち電子計算機について、次の区分が示されています。

電子計算機の区分 法定耐用年数 確認する内容
パーソナルコンピュータ(サーバー用を除く) 4年 通常の業務用ノートPC・デスクトップPCなど
その他の電子計算機 5年 サーバー用の機器など、上の区分に含まれないもの

(出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」)

通常の事務作業、制作業務、業務ソフトの使用などに使うPCは、サーバー用でなければ4年の区分で考えます。サーバー用かどうか迷う場合は、製品仕様、導入目的、実際の運用内容をそろえて資産区分を確認しましょう。

法定耐用年数は故障までの寿命ではない

法定耐用年数は、取得費用を各年・各事業年度に配分する減価償却のための年数です。4年を過ぎたら壊れる、処分する、買い替えるという意味ではありません。

買い替えは、処理速度、故障の頻度、OSやソフトのサポート、修理費用などから別に判断します。税務上の償却が終わっても、業務に支障がなければ使い続けられます。

ノートPCの実際の買い替え時期も気になる方は、ノートPCの耐用年数と寿命の違い、買い替え時期の考え方をご覧ください。

「法定耐用年数」「実際に使える期間」「経費に計上する方法」は別の話です。一般用PCの法定耐用年数が4年でも、金額や特例の条件によっては、通常の4年償却以外の処理を選べます。

ノートPC・デスクトップ・ゲーミングPCは名称で分けない

一般用PCについては、ノート型かデスクトップ型かという形状だけで、法定耐用年数が変わるわけではありません。ゲーミングPCでも、サーバー用を除くパーソナルコンピュータに該当するなら4年です。

ただし、仕事用として購入したという名目だけで、私用部分まで経費にできるわけではありません。個人事業主が仕事と私用を兼ねて使う場合は、利用状況などに基づき、事業に必要な部分を区分して計上します。

動画編集やゲーム配信に使うPCでも、どの業務に必要なのか、どの程度事業で使っているのかを説明できる記録を残しておくと、申告時の確認がしやすくなります。

モニターや周辺機器は取引単位と機能を確認する

PC本体とモニター、キーボードなどを購入したときは、一式の資産として扱うのか、独立した資産として扱うのかを確認します。

少額資産の金額判定は、通常1単位として取引される単位で行います。そのため、請求書で価格が分かれているからといって、必ず別々の資産になるわけではありません。一式としての機能や、実際の取引内容も関係します。

周辺機器を別資産として扱う場合も、その機器の資産区分に沿って耐用年数を確認してください。「PCにつなぐ機器だから全部4年」と一律に決めないことが大切です。

◆ヨシハルのワンポイントアドバイス

見積書や請求書には、本体と周辺機器の型番・金額が分かる明細を残しておきましょう。明細があると、一式か別資産かを相談するときにも説明しやすくなります。

PCの法定耐用年数と取得価額別の経費処理

PCの取得価額と2026年度改正後の経費処理

ここからは、実際の処理方法を見ていきます。最初に確認するのは、資産の取得価額、取得日、事業で使い始めた日、特例を利用できるかの4点です。

金額別の主な選択肢を一覧で確認する

通常の自社・自分の事業で使うPCについて、主な処理方法を整理すると次のようになります。特例は金額だけでは適用されず、対象者や手続きなどの条件確認が必要です。

取得価額 主な処理方法 注意点
10万円未満 事業で使い始めた年・事業年度に全額を経費・損金に算入 私用部分は除外。法人では損金経理などの要件を確認
10万円以上20万円未満 通常の減価償却、一括償却資産の3年償却、要件を満たす場合の少額資産の特例 一括償却資産と少額資産の特例は別制度
20万円以上40万円未満 通常の減価償却、要件を満たす場合の少額資産の特例 40万円未満の基準は2026年4月1日以後の取得分
40万円以上 原則として通常の減価償却 一般用PCは4年、その他の電子計算機は5年。別の税制措置は個別に確認

2026年3月31日までに取得した資産について、少額減価償却資産の特例の取得価額基準は30万円未満です。取得日と事業供用日、その時期に適用される条件を合わせて確認してください。

(出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」)

「未満」には、その金額ちょうどは含まれません。10万円ちょうどは10万円未満の扱いにならず、20万円ちょうどは一括償却資産の対象外です。40万円ちょうども、40万円未満の特例の対象にはなりません。

取得価額は税込・税抜と付随費用で変わる

取得価額は、単に販売ページに表示された本体価格だけとは限りません。原則として、購入代金に、送料などの購入に必要な費用や、事業で使うために直接必要な費用を含めて考えます。

消費税を含めるかどうかは、採用する経理方式によって異なります。税込経理では税込額、税抜経理では税抜額で判定し、免税事業者は税込経理となります。

例えば、本体が税抜95,000円・税込104,500円で、ほかに取得価額に含める費用がない場合、税抜経理なら10万円未満ですが、税込経理なら10万円以上です。税込額と税抜額を都合よく使い分けることはできません。

10万円未満は使い始めた年に経費化する

取得価額10万円未満のPCは、原則として事業の用に供した年・事業年度に全額を経費・損金に算入できます。個人事業主では、消耗品費などで処理する方法があります。

ここで大切なのは、「購入した」「代金を支払った」という事実だけでなく、業務で使い始めていることです。年末に買っても、翌年から業務で使う場合は、購入年に処理できるとは限りません。

法人では全額の損金経理など、必要な会計処理も確認します。なお、主要な事業以外の貸付けに使う資産などには適用除外があるため、本記事の自用PCと同じ扱いとは限りません。

10万円以上20万円未満は一括償却資産も選べる

この金額帯では、通常の減価償却に加えて、一括償却資産として3年間で償却する方法を選べます。少額減価償却資産の特例とは別の制度で、青色申告者だけに限られた仕組みではありません。

例えば、個人事業主が事業専用の取得価額15万円のPCについて一括償却を選ぶ場合、業務で使い始めた年から3年間、各年5万円ずつを必要経費に算入します。

法人の事業年度が1年に満たない場合などは計算が異なるため、「どの場合も毎年必ず3分の1」とは考えないでください。

一括償却資産は「3年間で償却」、少額減価償却資産の特例は「条件を満たせば供用年に全額計上」です。似た名前でも、費用になる時期が異なります。

2026年4月から少額資産の特例は40万円未満に拡大

2026年度税制改正により、少額減価償却資産の特例の対象となる取得価額は、30万円未満から40万円未満に引き上げられました。新基準は2026年4月1日以後の取得分に適用され、適用期限は2029年3月31日まで延長されています。

利用する際は、主に次の条件を確認しましょう。

  • 青色申告を行い、制度上の中小企業者等の要件を満たしているか
  • 取得価額が、取得時期に応じた基準額未満か
  • 取得と事業供用が適用期間などの条件を満たすか
  • この特例を使う資産の取得価額合計が、年間300万円の上限内か
  • 必要な記帳・損金経理・申告明細などを整えているか

法人では、2026年4月1日以後の取得分について、常時使用する従業員数が400人を超える法人が対象から除外されるなど、対象者の要件も見直されています。資本金、他の法人による支配関係なども確認が必要です。1年未満の事業年度では年間上限の計算も変わります。

したがって、「青色申告だから必ず使える」「35万円のPCだから自動的に全額経費」とは判断できません。使える場合でも、通常の減価償却などとの選択になります。

通常の減価償却は供用月と償却方法で計算する

特例などを使わず通常の減価償却を行う場合は、資産区分に応じた耐用年数と、適用する償却方法で計算します。4年だから毎年必ず購入額の4分の1、とは限りません。

例えば、個人事業主が事業専用の一般用PCを取得価額30万円で購入し、耐用年数4年・定額法で、10月から業務に使い始めた場合を考えます。

この例の初年度の減価償却費
300,000円 × 定額法の償却率0.250 × 3か月 ÷ 12か月 = 18,750円

10月・11月・12月の3か月分となるため、初年度は年間額75,000円の全額ではありません。私用も兼ねる場合は、必要経費にする事業用部分の計算も必要です。法人や別の償却方法では、同じ例の計算をそのまま使わないでください。

中古PCは見積りや簡便法を使える場合がある

中古PCでは、新品と同じ法定耐用年数を使う方法のほか、取得後の使用可能期間を見積もった年数を使える場合があります。見積りが難しいときは、一定の条件のもとで簡便法による算定もできます。

法定耐用年数4年の一般用PCについて、簡便法を使う場合の考え方は次のとおりです。

中古資産の状態 簡便法の計算
法定耐用年数の一部を経過している (法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%
法定耐用年数の全部を経過している 法定耐用年数 × 20%

算定した年数の1年未満の端数は切り捨て、2年未満になった場合は2年とします。例えば、法定耐用年数4年で全部を経過したPCは、4年×20%=0.8年ですが、簡便法による耐用年数は2年になります。

ただし、「中古PCならすべて2年」とは限りません。実際の経過期間、供用のための資本的支出の有無などを確認してください。簡便法の算定は事業で使い始めた年・事業年度に行う必要があり、後の年度からさかのぼって選び直す扱いではありません。

中古PCでも、取得価額が少額で、要件を満たす場合は少額資産の処理が選択肢になります。中古であることと、金額による処理方法は分けて確認しましょう。

申告前は取得日・供用日・明細をそろえる

経理処理を確認するときは、次の情報をまとめておくと判断しやすくなります。

  • PCの型番、一般用かサーバー用か、業務での用途
  • 取得日と、業務で使い始めた事業供用日
  • 本体・送料・周辺機器などの明細と取得価額
  • 税込経理か税抜経理か、免税事業者かどうか
  • 新品・中古の別と、中古の場合の経過期間
  • 特例の適用要件、年間利用額、事業用と私用の区分

◆ヨシハルのワンポイントアドバイス

領収書だけでなく、製品明細と「いつ業務で使い始めたか」の記録も残しておきましょう。税理士さんに相談するときも、金額と日付がそろっていると話を進めやすいですよ。

PCの法定耐用年数に関するよくある質問

Q1. ノートPCの法定耐用年数は何年ですか?

A. サーバー用を除く一般的なノートPCは4年です。デスクトップ型かノート型かで一律に分けるのではなく、税務上の資産区分を確認します。

Q2. 法定耐用年数4年なら、4年で買い替える必要がありますか?

A. ありません。4年は税務上の減価償却に使う年数です。実際の買い替えは、故障、性能不足、OSやソフトのサポートなどを見て判断します。

Q3. 40万円未満のPCなら全部その年に経費にできますか?

A. 誰でもできるわけではありません。2026年4月1日以後の取得分では、一定の青色申告者などが少額減価償却資産の特例を使えますが、対象者、年間300万円の上限、事業供用、申告手続きなどの条件確認が必要です。

Q4. ゲーミングPCを仕事に使う場合も4年ですか?

A. サーバー用を除く一般用PCに該当するなら4年です。ただし、経費にできる範囲は事業との関係で判断します。個人事業主が私用も兼ねる場合は、事業用部分を区分して計上してください。

Q5. 中古PCの耐用年数は必ず2年ですか?

A. 必ず2年ではありません。使用可能期間の見積りや、経過期間に応じた簡便法を使える場合があります。簡便法で2年未満になるときは2年としますが、実際の条件を確認して算定します。

PCの法定耐用年数は用途・金額・取得時期で判断する

PCの法定耐用年数は、サーバー用を除く一般用が4年、その他の電子計算機が5年です。実際の寿命とは別なので、4年を過ぎたことだけを理由に買い替える必要はありません。

経費処理では、取得価額と事業供用日を確認したうえで、通常の減価償却、一括償却資産、少額減価償却資産の特例のどれを使うかを考えます。2026年4月以後の取得分では、特例の基準が40万円未満に変わった点も押さえましょう。

購入額だけで決めず、資産区分・税込か税抜か・一式か別資産か・新品か中古か・特例の適用要件を順番に確認することが大切です。個別の判断に迷う場合は、請求書や供用日の記録をそろえて、税務署や税理士に確認してください。